タイトル | たまたま |
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投稿日 | 2011/04/24(Sun) 03:57 |
投稿者 | 高橋 克彦 |
私の書いた「あやかし」を再読していたら、途中に大地震とダムの決壊によって滅びる町の描写があり、その生々しさに自分ながら驚いた。 今度の大震災と津波を体験したとしか思えないほど克明なんだね。 瓦礫となった町並みとか、無数の死体とかーー三陸の被災地のルポを読んでいるような感じ。
この長編を書いたのは15年以上も前だけど、読めば百人が百人、私がノストラダムスのごとく神に今度の大震災を見せられて書いた文章としか思えないに違いない。 これって、どうなんだろう。 自分でも怖い。 1頁やそこらの描写なら偶然で片付くけど、原稿用紙で30枚かそこら書きこんである。 本当に、想像力を超えたリアリティだ。もしかすると夢の中かなにかで見せられたのだろうか。
手元に「あやかし」の文庫があれば上巻の302頁から読んでもらいたい。 気持ちが悪くなるほど今度の大震災と細部が重なっている。 自分の想像力だけの産物だとしたら、まったく途方もない才能だなー。 なんでここまで書けるんだろう。 と喜んでいる場合じゃないほど似過ぎている。
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