タイトル | 今年は |
No | 3838 |
投稿日 | 2013/02/20(Wed) 17:45 |
投稿者 | 高橋 克彦 |
そろそろ店頭に並ぶ「ツリー」からはじまっての新刊ラッシュとなりそうです。
現在確定しているものだけでも3月に現代書館から「東北の魂・蝦夷」、6月頃には文春から「さやゑ歌麿」。新潮社から「写真小説」と題した連作短編集。 夏には角川書店から「ドールズ。夜の誘い」。 それとタイトル未定ながら岩崎書店より「怖い絵本」の一冊を。 岩手の川嶋印刷から「真景錦絵盛岡百景」。 秋には朝日新聞社より「ジャーニー・ボーイ」。
ホントかよと自分でも指折り数えて信じがたい思いなんだけど、この中でこれから書かなくてはならないのは歌麿の短編一つとドールズの残り100枚くらいだけで、他はすべて原稿を渡し済みだから間違いなく出るでしょう。
どころか今年は私が物書きデビューして30年目の節目にあたるので、それに合わせたアンソロジー的なものが他に出るかも知れない。 文庫もたぶん三冊は出るだろうから大変だね、こりゃ。
ところで「ツリー」は自分ながら楽しく読みました。 連載10年、毎月の掲載枚数はたった10枚だったので、途中でなにを書いてるやら自分でもわからなくなり、半分以上は失敗作になるだろうと覚悟しつつ続けていたのですが、見本が届いて読みはじめたらページを捲る指が止まらないほどの面白さ。 これに10年をかけなくてはいかんのか、という問題はさておき、面白いのだけは保証します。 よくもまあストーリーを破綻させずに最後までもっていったものだと我ながら感心。 読む側は10年という期間を意識せずに読むだろうから気付かないかも知れないけど、10年前の描写が少しも古くなっていないところなど、自分の本でなければ「この作者は天才だな」と脱帽したはずです。 自画自賛もここまでくると嫌みを通り越して爽やかでしょう。
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